看護の原点に戻れる場所
私はここで働くまでずっと病院で看護師をしていました。定年を一年延長して働いていた時に、施設長の声がけでこの施設に来ました。病院ではなく、特養の施設で働くことは看護の原点に戻ったような感じがしています。看護の基本的な姿勢は変わりませんが、利用者の方、一人一人とじっくり関わっていくことができていると感じるからです。
ここが終の住処になる方ももちろん多くいらっしゃいます。その中で、胃ろうだった方が口から食べることができるようになるなど、日々の喜びがここにはあります。私たちの関わり方ひとつで変化していく、その変化を見ることができるのは喜びですね。
働いている中で大変だと感じるのは、ご家族の理解を得ることです。老衰で様々なことができなくなっていくことは、当たり前の変化です。いろいろな治療をすることだけが、利用者の方にとっていいことではありません。また、介護の施設に入ったから安心というわけでもありません。自然な形で終わりを迎えることは、悲しいことではないと伝えるようにしています。
看護師として働くこと
普段は健康管理全般を行なっています。
毎朝の検温や血圧の計測、薬の管理や胃ろうの栄養を入れることが主な業務内容です。
医師が常駐していないので、看護師の判断が重要になります。
自分が利用者の立場になったらどうしてほしいのか、と考えることを一番大切にしています。
この施設はコミュニケーションのとりやすい環境が整っていると思います。もちろん業種を超えて関わることもあります。
立場によって考え方が違うこともあるけれど、その立場によっての見え方の違いを理解していく必要があると思っています。
利用者の方により良い生活を送っていただけるように、1つのチームとして働く意識を持っていきたいと考えています。
「しなやかな人」と一緒に働きたい
ここで働いている方は根本的には「人が好きな方」だと思います。利用者の方に対して「やることはやる」というだけでは、関わりが点で終わってしまいます。
周りの方と協力しながら利用者の方との関わりを続けていくことが必要になります。
自分が変化していくことを恐れずにいられる方としなやかで柔軟な考え方ができる方と一緒に働きたいと考えています。
看護と向き合いたい人におすすめしたい
自分の育んできた看護観や倫理観が顕著に出る場所だと思います。
病院より楽だということは決してありません。
じっくり看護と向き合いたい方にとって特養は最適な場所だと思っています。